NotionでJiraっぽいタスク管理をやってみた
こちらでNotionとObsidianの使い方について、自分なりのスタイルを紹介しました。
そこで、今回はJiraと同じような感じで Notion でタスク・カンバン管理をやってみようかと思いました。
目次
Jiraでのタスク管理
まずは Jira でのタスク管理について少し整理します。
スクラム開発については今回は言及しないのですが、Jira を使ったカンバンでのタスク管理について、ざっくりと自分なりの活用をざっくりと前提として説明します。
Jira では「バックログ」「ストーリー」「タスク」「スプリント」によってタスク管理をします。
日常で使うには少し仰々しいですが、ざっくり下記の定義・用途で話を勧めていきます。
用語 | 定義 | 用途 |
---|---|---|
バックログ | ストーリーとかタスクとか溜め込む場所 | そのうちやりたいこととかすぐにやりたいこととか、とにかくやろうと思ったことはここに放り込む。 |
ストーリー | 目的とか達成したいこととかを説明する | 基本左を踏襲。ラーメン食べる みたいなストーリーいれて、「ラーメン屋に向かう」「ラーメン食べる」みたいな実際にやること(タスク)を出す感じ |
タスク | ストーリーを達成するための具体的な行動 | 基本左を踏襲。用途例は上 |
スプリント | ストーリーとかタスクをやる一定期間 | とりあえず1日レベルで、今日やりたいこととか達成したいことを書いていく感じ |
本来のスクラム開発の流れであれば、
- バックログにやりたいこととか溜め込む
- スプリント期間(例えば 2 週間)で終わらせたいことを確認する
- やる
- スプリントが終わったらできなかったとか量が多かったとか振り返る
みたいな流れになると思いますが、そこは個人タスクの管理に焦点を当てあくまでも Jira 風タスク管理として、振り返りとか見積もりとかの概念は抜きにします。
Jiraっぽいタスク管理をやるために必要な要素
Jira 風タスク管理を実現する要素は一旦下記のものがあれば再現できそうです。
要素 | 理由 |
---|---|
カンバン方式でのviewがメインになること | Jiraのメインのviewだし、、 |
ステータスやラベルなどサブグルーピングができること | TODO, In-progress, completedなど以外にも重要度とかでサブグループで見られたらわかりやすい |
カレンダーとかタイムラインのビューもあること | 個人のタスクだと比較的長いスパンでのタスクもいれておきたくなる |
期限設定ができること | 同上 |
ステータスやプライオリティ、ラベルでタスクが分類できること | 日常系とか突発作業とか分類したり、タスクが増えてくると検索とかしたいよね |
それぞれのタスクに概要とか詳細がかけること | タスク名だけだと具体的に何をやるんだっけ?とか忘れちゃうかもなので |
(オプション)どれくらいの作業量なのかわかること | そのタスクがどれくらいかかりそうなのかざっくり可視化できたらいいじゃない?ということでオプション扱い |
(オプション)どれくらいタスクをできたのかレポート機能があること | いい感じにやりたいことができているかどうか、モチベに関わるくらいかなというところでオプション扱い |
上記の機能はオプションを除いてすでに Notion にはほぼ標準機能で備わっているので、要は Jira っぽいように Notion の見た目とかフローを整備していくだけで実現できるということです。
Notion でのJiraっぽいタスク管理フロー
上記機能をうまく Notion でやるとして、どのようにタスク管理していくのかフローを定義しておきます。
フロー | 説明 |
---|---|
1. やりたいことをざっくり分類してバックログとして貯める | ここについてはストーリーレベルで達成したいこと(後でサブタスクを作る)と、タスクがそのまま目的を達成できるようなことを同時に切り出してしまう。ただし、例えばmisc的な内容なのかhouseworkなのかとかは分類する。StatusはBacklogとして、ストーリーに対してサブアイテムでタスクを紐づける |
2. 次の日にやれたらいいなと思うことをNot statedに移す | いわゆるスプリント。1日単位で次の日とかにやることをどんどんNot startedにする |
3. 実行する | やっているタスクは In progressに、終わったらDoneに |
4. 次の日のことを考える | 期限がなかったら残っちゃうこともあるけどまぁセーフ |
これで Jira っぽく、今何やっているのか・どんなことをやる必要があるのか視覚的にわかるようにタスク管理をできるはずです。
NotionでJiraっぽいタスク管理を作っていく
テンプレートを用意してもいいのですが、なんとなくカスタマイズできるように 1 からつくってみます。
まずは標準テンプレートから骨子を作ります。
以降、Notion だと Board view なのですが Kanban view って言いかえてしまっています。
Kanban viewを作る
見ての通り、この状態でなんとなくすでに Jira 感が出てきているので、次はうまくこれをスプリントっぽく見せかけられるように Status を増やします。
このとき、Backlog と Archived がこの view には映らないように隠しておきます
続いて、ストーリーに紐づいてタスク管理をするのが前提なので、サブグループとしてストーリーごとにタスクが見られるようにします。
3 dots からこのページでのサブアイテムの機能を ON にしておき、サブグループで親アイテムを選んで分類します。
ミソとしてはサブアイテムの機能を有効化するときに、Flattened list を選択することです。親アイテムとサブアイテムを同じ階層に並べることで、Kanban view でも同じレベルでストーリーとタスクが表示されるようにします。
この状態で一旦ストーリー・タスクの管理をさらっとサンプルデータで試すと、いかにも Jira のカンバンっぽくなってきました。
ここにもうひと工夫します。ストーリーは定義上、タスクを達成するとできることなので当然ストーリーの上にストーリーは作られないように運用します。
上記の例だと、テストストーリーとテストストーリー3 については既にグルーピングのタイトルとして使用されているので、No Parent item からは取り除きたいです。
そのため、さらに Sub-item is empty のフィルタ適用すれば、ストーリー単体になってしまっているものやタスク単体のものだけが No Parent item に表示され、ストーリーの下にタスクが作成されているものはグルーピングされて表示されるようになります。
Backlogを管理するためのテーブルviewを作る
グループ分けしたり、どのストーリー・タスクを 1 日の中でやるのか決めるための view を作ります。
下記の要素をプロパティとして追加して、、、
- group … select
- priority … select
- 作成日時 … date
- 期限 … date
ついでに、一覧時に表示が横に伸びないように文字列を wrap するよう設定しています。
サンプルのタスクをぶち込むと、下記のような形でタスクを整理できるようになります。
また、テーブルの状態で Group によってさらにグルーピングすることで、より整理されやすくなります。
Group でグルーピングを設定すると見た目上グルーピングされて Group のプロパティが冗長になってしまうので、それを非表示にした状態で、さらに Status と Priority でソートします。
自分が使いやすいようにKanban viewをブラッシュアップ
一旦 Kanban view に戻ると、Backlog なのに「テストストーリー3」が下の方にちらっと見えていると思います。また、Group についてもタスク上に表示されるようにしたいです。
さらに、期限付きのものは上から処理したいなどがあると思います。
ソートを使用したり、タスク内に表示するプロパティを変えることで下記のようになります(お好みで)。
- プロパティの表示 … Group と Deadline を表示
- フィルタ … Status を Not started, In progress, Done のみ表示(これで Backlog のやつが消えてくれるはず)
- ソート … Group で降順、Deadline で昇順、Priority で昇順
これで大体メインの骨子が完成になります。
TimelineとCalendar viewを整備してみる
最後に期限付きのタスクを視覚的にわかりやすく管理できるよう整備します。
整備といっても大層なことはせず。基本 Notion の機能でうまく作ることができます。
新しく Timeline の view を作り、前の view と同じように Status でフィルタはかけるのですが、すでにタスクやストーリーごとにグルーピングされているので Group は新しく設定しなくても問題ないです。
ただしそのままだと、deadline を設定していない場合 Timeline view で表示されなくなってしまうので、Timeline の設定で start と end の日付を分割しておきます。
必要に応じて、新しくプロパティとして start を作ってもいいと思いますが、一旦 Start date を Created time に End date を Deadline にしています。
最後に Calendar view も基本標準です。
こちらについては、ストーリーレベルと言うよりもタスクレベルで期限を管理したいので、Sub-item is empty のフィルタを適用して(これでストーリーではなくタスクを表示させる) Calendar に Deadline が表示されるようにしています。
期限がない場合はここには表示されないので、より期限付きのタスクをしっかり俯瞰的にみることができます。
以上で、Timeline と Calendar view で期限付きのタスクが可視化してわかるようになりました。
まとめと少し不満点
あくまでも Jira 風ですが、個人的にはこれで十分分類・整理されたタスク管理ができていて満足です。
Jira 風にやるということで、タスクの気軽な追加とかは少し犠牲になってしまっている部分がありますが、今後は ToDo List 型のタスク管理とうまく融合したいです。
完全に自己満で作ったものなので、もっとこうできたらいいなみたいなことを箇条書きにして整理しておきます。
不満点 | 説明 |
---|---|
モバイルアプリでもっと使いやすく管理したい | PCからだと画面も大きく俯瞰した目線でタスク整理できますが、スマホだとページレベルでの編集なのでPCよりもタスク洗い出しにくいです。 |
間違えて突っ込んだタスクを消すのが面倒 | 新しいタスクを追加しようとして文字列を入力せずに「やっぱりいいや~」ってEscなり押して入力とかキャンセルすると、殻のタイトルの新しいページが作成されてしまい、毎回タスクを削除する必要があります。そもそもタイトルが空ならページとして作成されないでほしいというお気持ちです。 |
ストーリーとタスクの進行状況がしっかりと連動できるようにしたい | ロールアップとか数式とかうまく使ったりすれば実現できると思いますが、そんな小手先のカスタマイズしなくても標準で対応してほしい。 |